こんにちは。ペットショップ店員のRYOです。今回は、猫を飼っている方なら一度は気になったことがあるであろう「猫の口臭」や「歯石」について、放置のリスクから自宅でできるケア方法まで、徹底的に解説していきます。
Contents
◆ なぜ猫の口臭が気になるのか?
「最近うちの猫の口が臭うな…」と思ったことはありませんか?
実は、猫の口臭はただの“ニオイ”問題ではなく、重大な健康トラブルのサインかもしれません。歯石や歯周病を放置すると、最悪の場合、心臓や腎臓に悪影響を及ぼして命に関わることもあるのです。
私が大手ペットショップで勤務していた頃も、「歯石が原因でご飯を食べなくなった」「口が痛そうにしている」と相談に来る飼い主さんがたくさんいました。猫の口臭や歯石は“年齢のせい”ではなく、日常のケア不足が原因であることがほとんどです。
◆ 猫の口臭の主な原因5つ
まずは、猫の口臭の原因を知ることから始めましょう。
① 歯石・歯垢の蓄積
猫の口臭の約80%はこれが原因です。歯垢(しこう)はわずか3日ほどで歯石に変わり、固まってしまうとブラシでは取れません。
② 歯周病・口内炎
歯石を放置すると歯肉炎が進行し、歯周病や口内炎を引き起こします。痛みで食欲が落ちる猫も多いです。
③ 食べかす・キャットフードの残り
ドライフードでも歯に詰まることがあります。ウェットフードを好む猫は特に要注意です。
④ 内臓疾患(腎臓病・糖尿病など)
口臭が「アンモニア臭」や「甘い匂い」の場合は、体内の病気のサインであることも。
⑤ ストレスや免疫低下
免疫が落ちると口内の細菌バランスが崩れ、口臭の原因になります。
◆ 放置するとどうなる?猫の歯石・口臭がもたらす深刻な影響
「うちの猫、元気そうだから大丈夫」と思っていませんか?
猫の口臭や歯石を放置すると、次のような悪循環が起こります。
- 歯石が増える → 歯茎が炎症を起こす
- 炎症が進行 → 歯がぐらぐらする・抜ける
- 細菌が血液に侵入 → 心臓・腎臓・肝臓の病気を引き起こす
実際、ペットクリニックでも「歯周病菌が原因で腎臓を悪くした猫」は珍しくありません。口臭を軽視せず、早めにケアを始めることが猫の寿命を延ばすカギになります。

◆ 猫の歯石の取り方|動物病院での処置と自宅ケアの違い
猫の歯石取りには大きく分けて2つの方法があります。
【1】動物病院でのスケーリング(麻酔あり)
もっとも確実で安全なのが、**動物病院での歯石除去(スケーリング)**です。超音波スケーラーを使って歯石を根こそぎ取り除きます。
- 費用:15,000〜30,000円程度
- 所要時間:1〜2時間程度
- 注意点:全身麻酔が必要なので、健康状態の確認が必須
特に7歳以上の猫は麻酔リスクが上がるため、事前の血液検査を受けるようにしましょう。
【2】自宅での歯石・歯垢予防
すでに歯石がついている猫に対して「自分で取る」のは危険です。無理に取ろうとすると、歯や歯茎を傷つけてしまうこともあります。
ただし、新たな歯石がつくのを防ぐケアなら自宅でも十分可能です。次の章で、簡単にできるケア方法を5つ紹介します。

◆ 簡単にできる!猫の口臭・歯石対策ケア方法5選
① 猫用歯ブラシ・歯みがきシートを使う
一番効果的なのは、やはり歯みがき習慣です。
最初は嫌がる子も多いですが、1日1回を目安に、無理せず慣らしていきましょう。
- 指サック型の歯ブラシやシートを使うと便利
- 猫専用の歯みがきペースト(チキン味・ツナ味など)を使うと喜びやすい
- 「上の犬歯」と「奥歯」を重点的に!
② 歯みがきおやつ・デンタルガムを活用
「歯みがきは無理!」という猫には、デンタルおやつがおすすめです。
- 噛むことで歯垢を落とす効果
- 口臭予防成分入りのものも多い
例:グリニーズ、オーラティーン、Virbac C.E.Tなど
③ デンタルウォーター(飲み水添加タイプ)
水に混ぜるだけでOKのデンタルケアウォーターは、歯みがきが苦手な猫にぴったりです。
- 抗菌成分で口内の細菌を減らす
- 無味無臭タイプを選べば飲みやすい
ただし、効果を実感するには毎日継続が大切です。
④ ドライフードで自然に歯垢を落とす
ウェットフードばかり与えていると歯垢が溜まりやすくなります。できればドライフードをメインにしましょう。
- 歯垢除去用の特別な粒(デンタルケアフード)もあります。
- 例:ヒルズ t/d、ロイヤルカナン デンタルケア、ピュリナプロプラン デンタルプラスなど
⑤ 定期的な動物病院チェック
1年に1回は、歯の健康チェックを受けるのが理想です。
- 歯石の付き具合
- 歯肉炎の有無
- 口内炎の兆候
獣医師に相談することで、早期発見・早期治療が可能になります。
◆ まとめ:猫の口臭ケアは“今すぐ”始めよう!
猫の口臭や歯石は、「気づいた時には手遅れ」になりがちです。日々の少しの習慣が、猫の寿命を大きく左右します。
もう一度、今日からできるケアをおさらいしましょう。
猫の口臭ケア
- 歯ブラシ・シートで歯垢を落とす
- デンタルおやつを取り入れる
- デンタルウォーターを活用
- 歯に優しいドライフードを選ぶ
- 年1回の動物病院チェック
あなたの猫ちゃんの“いいニオイの口元”を取り戻すために、今日から一歩を踏み出してみませんか?

🐾 補足コラム:猫の歯石対策におすすめのグッズ3選
- グリニーズ 猫用デンタルおやつ(チキン味)
- オーラティーン デンタルジェル(無香料)
- ヒルズ t/d デンタルケア(歯垢除去用フード)
これらを組み合わせることで、猫の口臭・歯石ケアはぐんとラクになります。
◆ 最後に:愛猫の“健康寿命”を延ばすのは、あなたのケア次第
猫の歯の健康は、寿命に直結します。私はペットショップ時代、歯石や口臭を放置した結果、ご飯を食べられなくなった猫を何度も見てきました。
逆に、しっかりケアをしていた飼い主さんの猫は、15歳を超えても元気いっぱい。
「猫 口臭」や「猫 歯石 取り方」で悩むあなたに伝えたいのは、毎日の小さなケアが命を守るということです。
今からでも遅くありません。ぜひ今日から、愛猫の歯の健康を守る習慣を始めてください。