「うちの猫、急にごはんを食べなくなった……」
そんな経験、ありませんか?
猫はとても繊細な生き物です。少しの環境の変化や体調不良で、簡単に食欲を失ってしまうことがあります。でも、猫がごはんを食べない原因を正しく理解し、適切に対応すれば、多くの場合は回復することができます。
この記事では、猫がごはんを食べないときの原因と、その対処法をわかりやすく解説します。飼い主さんが慌てず冷静に判断できるよう、チェックポイントも紹介しますね。
Contents
猫がごはんを食べないのは危険?まず知っておきたいこと
猫が1日くらい食べないだけなら、すぐに命に関わることは少ないです。ですが、48時間以上食べない状態が続くと非常に危険です。
特に注意したいのが「脂肪肝(肝リピドーシス)」という病気。猫が絶食状態になると、体の脂肪を分解してエネルギーを作り出そうとしますが、肝臓がその処理に追いつかず、肝機能が低下してしまうのです。
ですから、「ごはんを食べない」が2日以上続いたら、放置せずに必ず獣医さんに相談しましょう。

猫がごはんを食べない原因は?【行動・環境・健康】
猫の食欲不振には、いくつかの要因があります。
① 環境・心理的なストレス
猫は環境の変化にとても敏感です。たとえば…
- 引っ越しをした
- 新しい猫や犬を迎えた
- 家族の誰かが長期間不在
- 飼い主さんが忙しくて構ってくれない
こうしたストレスが原因で、一時的にごはんを食べなくなることがあります。
また、気温の変化も食欲に影響します。特に夏は暑さでバテて食欲が落ちやすく、冬は活動量が減るため、食べる量が減ることも。
② フードに飽きた・好みが変わった
猫にも「味の好み」があります。長く同じフードを食べていると飽きてしまう子もいます。
また、年齢を重ねると味覚や嗅覚が鈍くなり、以前好きだったフードを嫌がることも。シニア期には特にこの傾向が見られます。
③ フードの鮮度や匂いの変化
猫は匂いにとても敏感。開封して時間が経ったキャットフードは酸化して風味が落ちます。
「賞味期限内だから大丈夫」と思っても、湿気や直射日光で劣化していることも。特にウェットフードは開封後数時間で傷み始めるので注意が必要です。
④ 口や歯のトラブル
- 歯周病
- 口内炎
- 歯がぐらつく
- 口の中にできものがある
これらの症状があると、痛みでごはんを食べられなくなります。猫が口を気にして前足で顔をこすったり、口を開けたままにしている場合は、口腔内のトラブルを疑いましょう。
⑤ 病気による食欲不振
体の不調が原因で食欲を失うケースもあります。代表的な病気には以下のようなものがあります。
- 腎臓病
- 糖尿病
- 胃腸炎
- 膵炎
- 感染症(猫風邪など)
- 癌や腫瘍
特にシニア猫では、腎臓や肝臓の機能低下が関係していることも多いです。病気が疑われる場合は、早めに動物病院で検査を受けましょう。
【チェックリスト】猫がごはんを食べないときの観察ポイント
「どんな様子か」を冷静に観察することが、原因特定の第一歩です。
| チェック項目 | 観察ポイント |
|---|---|
| 食欲の様子 | まったく食べないのか、少しは口にしているか |
| 水の摂取量 | 水も飲まない場合は脱水に注意 |
| 排泄 | 便や尿の量・色・匂いに変化はないか |
| 嘔吐 | 食後や空腹時に吐くことがないか |
| 元気 | 遊ぶ元気や鳴き声のトーンはどうか |
| 体温 | 触ってみて熱っぽくないか(耳や鼻) |
| 体重 | 急に痩せていないか |
このような変化をメモして、病院で伝えると診察がスムーズです。

猫がごはんを食べないときの対処法【自宅でできる工夫】
① フードを変えてみる
・いつものフードを温めて香りを立てる(電子レンジで5秒程度)
・ウェットタイプやスープタイプを混ぜてみる
・少しトッピング(かつお節や鶏のささみ)を加えてみる
ただし、「人間の食べ物」を与えるのはNG。塩分・脂肪が多く、猫の腎臓に負担がかかります。
② 清潔な食器を使う
意外と多いのが、「食器の汚れ」や「素材の匂い」が嫌で食べないパターン。プラスチック製ではなく、陶器やステンレス製の器がおすすめです。
③ 食器の高さを調整する
猫は首を下げすぎると食べにくくなることがあります。特にシニア猫は、5〜10cm程度の高さに器を置くと楽に食べられます。
④ 環境を見直す
ごはんを食べる場所が落ち着かないと、猫は安心して食べられません。
・静かな場所で食べさせる
・人通りやテレビの音が少ない環境にする
・他の猫と距離をとる
⑤ ストレスを軽減する
遊びの時間を増やしたり、スキンシップを取ることで猫の不安が軽減されることもあります。安心できる環境を整えることが、何よりの「治療」になることもあるんです。
それでも食べないときは病院へ!
次のような場合は、迷わず動物病院へ行きましょう。
- 24〜48時間以上食べていない
- 水も飲まない
- 嘔吐・下痢が続いている
- 体重が減ってきた
- 呼吸が苦しそう・元気がない
獣医師の診察では、血液検査やレントゲン、超音波検査などで原因を特定します。早期発見ができれば、治療で回復するケースが多いです。
食欲不振を防ぐためにできる日常ケア
猫が健康で長生きするためには、日常のケアがとても大切です。
- 定期的な健康診断(年1〜2回)
- フードは新鮮なものをこまめに補充
- ストレスの少ない生活環境
- 清潔な水と食器
- 適度な遊びと運動
そして何より、「いつもと違う」に気づく観察力が大切。猫は言葉で訴えることができません。小さな変化を見逃さず、早めに行動することが愛猫を守る第一歩です。

まとめ:食べない猫には必ず理由がある
猫がごはんを食べないのは、単なる「気まぐれ」ではありません。その裏には、ストレス・嗜好の変化・病気など、何かしらの理由があります。
焦らず、まずは原因を観察して、一つずつ可能性を探っていきましょう。そして、長引くようなら迷わず獣医師に相談を。